東大病院呼吸器外科
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呼吸器外科トピックス
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※外来担当医は、止むを得ない事情により変更になる場合がございます。あらかじめご了承下さい。
- あらかじめ予約センターでご予約の上、ご来院下さい。
- 当院以外の主治医におかかりの患者さんで、現在の診断・治療方針に対して当科の専門家の意見を希望される場合には、「セカンドオピニオン外来」のご予約をお取り下さい。
⇒ 詳細は東大病院ホームページをご覧下さい。
東大病院予約センター(03-5800-8630)にてご予約ください。
※原則として紹介状(診療情報提供書)が必要です。お手元にご用意の上、予約センターにご連絡ください。
診療方針
(1)非小細胞肺癌に対する治療:肺葉切除・標準リンパ節郭清が原則ですが、術前肺門・縦隔リンパ節転移陽性診断例に対しては化学療法・放射線療法を併用した集学的治療ならびに拡大手術を考慮いたします。胸腔鏡補助下またはロボット支援肺葉切除(VATS/RATS-lobectomy)を行います。胸壁・大血管浸潤例に対しては心臓血管外科の技術を生かした拡大切除を行います。
(2)術前未診断肺内腫瘤(肺癌疑診)に対しては、胸腔鏡下肺生検を行い、迅速病理診断の結果から肺癌であれば続けて肺癌に対する治癒手術を行います。また触知困難、術中同定困難と予想される肺内結節に対しては、積極的に気管支鏡バーチャル3D肺マッピング(virtual-assisted lung mapping: VAL-MAP*)法を用いた最先端の精密胸腔鏡下縮小手術(肺部分切除、区域切除、複雑区域切除)を行っています。このような早期の小さい肺癌に対する手術の術後成績は非常に良好です。
(3)胸腔鏡手術:自然気胸など良性疾患に対しては極力低侵襲である胸腔鏡手術による治療を行います。
(4)転移性肺腫瘍:原発巣が治癒している事を条件として、肺転移に対して外科治療を行います。胸腔鏡による低侵襲手術を優先して行います。肝臓転移合併例に対しては当院肝胆膵外科との協力の下に、肝臓・肺転移の両方を外科的切除します。これまで切除困難だった5mm以下の比較的小さな転移性肺腫瘍、転移性肺腫瘍に対する化学療法後の残存小病変に対しても気管支鏡バーチャル3D肺マッピング(virtual-assisted lung mapping: VAL-MAP*)法を用いた精密胸腔鏡下縮小手術を行うことがあります。
(5)肺移植:内科的には治療困難な進行性呼吸不全に対し、一定の基準を満たした場合、肺移植を考慮します。当院は現在、国内で最も多くの肺移植を実施している施設のひとつとなっています。
*VAL-MAPは2018年3月より保険適応となりました。
以下の疾患については、当科では多数の方を治療しています。
(1) 原発性肺癌・転移性肺腫瘍・縦隔腫瘍に対する外科治療を中心とした集学的治療
(2) 特に原発性肺癌に対する胸腔鏡下診断および胸腔鏡下またはロボット支援肺葉切除・区域切除
(3)触知困難肺結節に対する気管支鏡バーチャル3D肺マッピング(Virtual-assisted lung mapping: VAL-MAP*)法を用いた精密胸腔鏡下縮小手術
(4) 胸腺腫瘍・重症筋無力症に対する拡大胸腺全摘術
(5) 自然気胸・他良性疾患や高齢者・低肺機能患者に対する胸腔鏡手術
(6) 肺気腫に対する胸腔鏡下肺容積減量手術(Volume reduction surgery)
(7)末期呼吸不全に対する肺移植(生体肺移植・脳死肺移植)
などを中心に、肺・縱隔疾患の治療を行っています。特に、心臓外科をはじめとした各臓器疾患のスペシャリストがそろった病院であるという特長を生かし、複数の疾患に罹患された方のために最適な呼吸器外科治療を行います。
*VAL-MAPは2018年3月より保険適応となりました。
対象疾患
- 原発性肺癌
- 転移性肺腫瘍
- 縦隔腫瘍、胸腺疾患、重症筋無力症
- 胸壁・胸膜腫瘍
- 気胸 (特発性および続発性)
- 漏斗胸・手掌多汗症
- 移植を必要とする肺疾患
治療方法
- 肺癌・転移性肺腫瘍に対する胸腔鏡下低侵襲手術
- 進行性肺癌に対する拡大手術
- 進行性肺癌・再発肺癌に対する、分子標的治療薬および免疫療法を 組み合わせた治療
- 縱隔腫瘍に対する、EBMに基づいた治療法
- 胸腔鏡による漏斗胸・手掌多汗症などの低侵襲手術
- 心疾患など合併症を有するハイリスク患者に対する呼吸器外科手術
- 肺移植
検査方法
- 肺癌・転移性肺腫瘍に対するCT、FDG-PETを組み合わせた画像検査
- 悪性腫瘍が疑われる肺内小腫瘤に対する胸腔鏡診断と同時手術による早期治療
- びまん性肺疾患に対する胸腔鏡下肺生検法
実績

呼吸器外科スタッフ

佐藤 雅昭
診療科長・臓器移植医療センター准教授兼務

此枝 千尋
特任講師(病院)

川島 光明
助教

長野 匡晃
助教

中尾 啓太
助教

叢 岳(ツォン イエ)
助教

酒寄 雅史
助教(肺移植内科)

油原 信二
病院診療医(大学院生)

大坪 巧育
特任臨床医

飯田 崇博
病院診療医(大学院生)

井尻 直宏
病院診療医(大学院生)

天野 瑶子
病院診療医(大学院生)

小林 公彦
病院診療医(大学院生)

山谷 昂史
病院診療医(大学院生・肺移植内科)

山口 美保
病院診療医(大学院生・呼吸器内科)

村山 智紀
病院診療医(出向)

長山 和弘
病院診療医(出向)
山本 一道
病院診療医(出向)
篠原 義和
届出研究員
■胸腔鏡下手術
肺・縦隔疾患に対する手術治療をテレビモニター観察下に内視鏡的に行う方法です。通常の開胸手術と比較すると皮膚切開創は小さく低侵襲性である点が優れています。
肺癌に対する標準手術(肺葉切除・リンパ節郭清)も胸腔鏡下手術で行なうことが可能です。
■Da Vinciによるロボット支援下手術
Da Vinciサージカルシステム(Intuitive Surgical, Sunnyvale, CA)を用いたロボット支援下手術を当科では2021年1月から開始し、肺がんなどの肺悪性腫瘍や縦隔腫瘍、重症筋無力症に対する拡大胸腺全摘術などを対象に保険診療で行っています。
■VAL-MAPを用いた精密肺縮小手術
気管支鏡バーチャル肺マッピング(virtual-assisted lung mapping: VAL-MAP)法は手術前に気管支鏡を使って、肺表面の複数個所に少量の色素マーキングを行い、これを「地図」として利用して精密で過不足のない肺切除を可能とする技術です。小さく手術中に位置同定が困難な早期肺がんや転移性肺腫瘍が対象となります。
■肺移植
当院は日本で10ある脳死肺移植認定施設のひとつであり、最近では国内で最も多くの肺移植を実施しています。2015年4月の肺移植実施開始以降、2023年2月末までに145例(脳死肺移植119例、生体肺移植26例)を実施しており、2022年の実施は32例(脳死27例、生体5例)でした。また160名前後の方が当院で脳死肺移植登録を行い、現在肺移植待機中となっています。
◆その他臨床研究に関するお知らせ
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◆医療関係者向けパンフレット
「肺癌の外科治療~肺癌が疑われたら~」 ← こちらをクリック
医療関係の皆様へ
研修希望の方
なお、外科系研修医の専門研修については、東京大学外科系ホームページ、
および東大病院総合研修センターもご参照ください。
患者さんご紹介希望の方
研究
研究業績
最近の研究
肺悪性腫瘍に対する低侵襲手術の臨床的検討
胸腺上皮腫瘍の悪性度に関する臨床的研究
肺がんにおける癌抑制遺伝子の機序に関する基礎的研究
肺癌特異的蛍光プローブの開発
肺移植の慢性拒絶反応に関する基礎的研究
肺移植の虚血再灌流障害の研究