Webアンケートを用いたVALMAP(Virtual Assisted Lung Mapping)法による肺切除の経験有無の術式選択への影響検討試験
東京大学医学部附属病院呼吸器外科にて
手術を受けた方およびそのご家族の方へ
当院では呼吸器外科領域において肺切除の術式選択に関するweb研究を行う計画をしています。この研究はweb上で呼吸器外科医に対し行います。呼吸器外科で手術を受けた患者さんのCT画像を匿名化して提示し、選択する術式に関してアンケートをとり、その結果を分析するものです。この研究の対象者に該当する可能性がある方で、
〇診療情報等を研究目的に利用または提出されることを希望されない場合
〇研究への協力を希望されない場合、あるいは協力を途中でおやめになりたい場合
は2022年5月17日までに末尾に記載の問い合わせ先までご連絡ください。
【研究課題】
Webアンケートを用いたVALMAP(Virtual Assisted Lung Mapping)法による肺切除の経験有無の術式選択への影響検討試験(審査番号*****)
【研究機関名及び本学の研究責任者氏名】
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関 東京大学医学部付属病院呼吸器外科
研究責任者 佐藤雅昭
担当業務 研究計画、分析、論文作成、全体統括
この研究に利用する情報は共同研究機関(及び委託機関)の範囲のみで利用されます。
委託機関は一般社団法人気道疾患研究会で、当呼吸器外科科長である中島淳が理事を
務めております。
【研究期間】
承認日~2022年5月17日
記載の研究期間終了後も継続する場合は、研究期間延長の申請を行う予定です。
【対象となる方】
VALMAP2.0の多施設臨床研究が行われた期間(2018年5月24日~2020年5月1日まで) に当院呼吸器外科で手術を受けられた方。
【研究の目的】
Virtual-assisted lung mapping(以下、「VALMAP」)はバーチャル気管支鏡を用いた経気管支的インジゴカルミン肺マーキング術であり、微小肺がんの手術時にその位置同定と十分な切除距離を確保した切除をするために用いられています。研究代表者は、2012年に本技術を考案し、これまでに多施設共同研究4(UMIN000008031東京大学医学部倫理委員会P2013027-11Y)、以下「多施設共同研究」)及び先進医療B(UMIN000022991 東京大学医学部倫理委員会P2015037-11Y、以下「先進医療B」)(以下、前記2試験をあわせて「先行研究」とする)によってVALMAP1.0の手技確立と安全性を確認してきました。しかし先行研究の結果から肺表面のマッピングのみであるVALMAP1.0では不十分な症例が存在することが明らかとなりました。具体的には肺表面から離れた深部に位置する病変で同定や適切な切離線設定が困難な症例であり、先行研究でもマージン不十分な事象が発生したことです。これを受け、気管支鏡下に染色のみを使用するVALMAP1.0を発展させたVALMAP2.0が開発されました。VALMAP2.0は、肺表面から離れた腫瘍に対して近傍末梢気管支内に血管塞栓用マイクロコイルを留置し術中透視下に腫瘍位置を同定する事で深部病変に対応する術式で現在多施設臨床研究が行われています。(東京大学医学部倫理委員会2018003SP)
肺癌の術式選択は術者に裁量の余地がありますが、早期肺癌においては可能であればより縮小手術を検討すべきです。これまでの歩みでVALMAPが精密かつ低侵襲な縮小手術に貢献することが示されました。現在ではその有用性から多くの施設で運用されていますが、一方で未導入施設や未経験医師も存在します。この現状からVALMAP経験のある医師は、術式選択時に未経験医師と比較してより低侵襲な縮小手術を選択する傾向があるのではないかという臨床疑問が生じました。以上より、本研究はVALMAPの経験度の差が術者の早期肺癌病変に対して術式を決定する際、より低侵襲な術式選択にどの程度影響するのかを探索する為、計画しました。
【研究の方法】
- 審査番号2018003SPに参加同意している患者さんの中から、術前に全肺野の高解像度CTが撮像されており、かつカルテ情報内に性別、年齢、喫煙歴、生理機能検査、手術日、組織型、腫瘍径、手術術式、手術時間、切除した肺における外科的マージン、切除根治度、最終確認日、再発の有無が記載された21人の患者さんに対して対応表ありの匿名化を行います。術式選択に関するアンケート調査にあたり患者さんのCT画像を使用します(アンケート調査内で患者さんの氏名、生年月日、診察券番号など個人情報は表示されません)。
- Webアンケートで、すりガラス影を呈する肺癌における複数の呼吸器外科医の知識や経験、所属施設環境に基づく術式選択を調査します。判断結果を収集及び解析し、VALMAP経験度の差が術者の早期肺癌病変に対して術式を決定する際、より低侵襲な術式選択にどの程度影響するのか検討します。
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。
これまでの診療でカルテに記録されている情報やCT画像データを収集して行う研究です。特に患者さんに新たにご負担いただくことはありません。
本研究はすべてWebサイト上で行います。参加者は研究者から送られたメールに記載されたリンクをクリックして、本研究のWebサイトにアクセスします。画面上に表示された説明文書を読んだ上で「研究参加に同意する」ボタンを参加者がクリックすると、適格基準および参加者の属性や臨床経験に関する質問のページに続いて検討症例のページに進み結果が集計されます。調査結果は調査期間中WEBシステムを設置するクラウド内のデータベースに研究データを保存するとともに、バックアップデータをプログラムによって毎日定期的に作成し、別クラウドに保存します。この際、共同研究機関に電子媒体でのデータ処理を依頼します。調査期間終了後は、本研究に関する論文発表後5年間、研究データおよびWEBシステムのプログラムを東京大学呼吸器外科で保管します。
【個人情報の保護】
この研究に関わって収集される情報・データ等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
収集した情報・データ等は、解析する前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないようにします(このことを匿名化といいます)。匿名化した上で、パスワードロックをかけ、ネットワークから隔離された外付けドライブ内で保存し、外付けドライブは鍵のかかるロッカーで厳重に保管します。
この研究のためにご自分(あるいはご家族)のデータを使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、下記の問い合わせ先に2022年5月17日までにご連絡ください。研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。
ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。
研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌、国内及び海外のデータベース等で公表します。
収集した情報・データ等は、原則としてこの研究のためにのみ使用しますが、保管期間終了までの間に、この研究以外の研究に使用される可能性もあります。この研究において得られた情報・データ等は匿名化して保存し、研究期間終了5年後、廃棄します。将来、当該情報・データ等を新たな研究に用いる場合や他の研究機関に提供する場合は、改めて東京大学医学部倫理委員会の承認を受けた上で行います。また収集した情報・データ等は、個人の識別が出来ないようにすることで廃棄します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。
この研究の結果として特許権等が生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、民間企業を含む共同研究機関及び研究従事者等に属し、研究対象者はこの特許権等を持ちません。また、その特許権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。
この研究に関する費用は、AMED「Medical Artsの創成に関する研究」(代表責任者:佐藤雅昭)から支出されます。本研究は、AMEDより研究資金の提供を受けて実施いたしますが、東京大学医学部利益相反アドバイザリー機関に報告し、利益相反マネジメントを適正に行っています。研究の実施や報告の際に、AMEDに都合のよい成績となるよう意図的に導いたりすることはありません。尚、あなたへの謝金はございません。
この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。
2021年2月15日
【問い合わせ先】
絡担当者:山口寛和(やまぐちひろかず)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学医学部附属病院 呼吸器外科
電話:03-3815-5411(内線 36853) FAX:03-5800-9156