補足3)肺癌の手術治療成績

肺癌と診断され、手術が行われた患者さん全体の5年生存率は69.6%です(文献14)。すなわち、手術が行われた場合、5人に3人は治るといえます。
肺癌の手術成績は病期によって異なります。病期には術前検査(CTやPET検査)から得られる情報に基づいて決定される術前病期と手術後の顕微鏡検査に基づいて決定される病理病期があります。手術が行われた場合、病理病期は最終的な病期であり、肺癌の予後や手術後の追加治療(術後補助療法)を決定する上で極めて重要です。

Figure20
(2004年肺癌外科切除例の全国集計に基づくデータ)

残念ながら手術を行ってもすべての患者さんの肺癌がなおるわけではありません。手術後に再発した肺癌の予後は1年以内であり、治癒を期待することはできません(文献15)。このため手術後に頻回に検査を行い、早期に再発を発見する明確な根拠はないと考えられています。肺癌手術後の適切な外来通院の期間については定説がないのが現状ですが、術後2年間は3か月毎、それ以降は6か月毎のフォローアップが推奨されています(文献16)。
肺癌術後に新たな肺癌が見つかることがあります。これを異時性肺癌と呼びます。異時性肺癌とは手術が行われた肺癌は治癒している状態で、初回の癌とは異なる別個の肺癌ができることを意味しており、再発とは異なります。異時性肺癌の頻度は1年あたり1-2%です(文献17)。異時性肺癌は再発ではありませんので、病期ならびに患者さんの全身状態に基づいて治療方針が決定されます。