こどもの心臓の手術について

こどもの心臓の手術にはさまざまなものがあり、また、同じ病気でも同じ手術をするとは限りません。また、手術の時期についても、病気やそのこどもの状態によって変わることがあります。また、病気の種類によっては、一度の手術では終わらずに数年にわたって二度、三度の手術が必要なこともあります。

心臓の手術には大きく分けると二つの種類があります。「姑息(こそく)術」とよばれるものと「根治術」とよばれるものです。

「姑息術」とは、比較的ちいさな侵襲で心臓や肺の負担をとってあげる手術のことをさします。BTシャント術や、肺動脈絞扼術(バンディング)が、姑息術の代表的な例です。この場合、心臓の血液の流れ方などは普通どおりにはならないのですが、チアノ-ゼ(血液のなかの酸素が足りない状態)を改善したり、心臓や肺の負担をとることができます。そうして体重の増加を待った後に「根治術」を行うことを目指します。

「根治術」は、さらに大きく分けると二種類のものがあります。

ひとつは心室中隔欠損症に対するパッチ閉鎖術のような手術で、手術が終わった後は、血液の流れ方は基本的に普通の心臓と同じ流れ方になります。つまり、心臓のひとつの部屋(右室)が肺への循環を担当し、もう一つの部屋(左室)が全身への循環を担当する血液の流れとなります。

もう一つは、「フォンタン(型)手術」とよばれるのもで、これは本来二つあるはずの心室のうち、一方が使えない場合に行われる手術です。この手術の後は、心室から出た血液は、全身を回った後、直接肺へ向かって酸素をもらってからまた心室へと帰っていきます。本来の血液の流れ方とは異なるため、心室がひとつしか使えないこどものための「機能的根治術」とよばれることもあります。通常、生後すぐ行える手術ではないので、何回かの姑息術の後に行われることが多いです。

我々の施設では産婦人科、小児科との協力のもと、胎児期に診断され新生児期に手術を要する左心低形成症候群、単心室、総肺静脈還流異常症、完全大血管転位症等の複雑心奇形の手術が多いことが特徴で、年間120例ほどの手術を行っています。

NICU(新生児集中治療室)、PICU(小児集中治療室)との協力により適切な新生児管理、術前管理を経て、良好な治療成績を収めております。

心臓手術後はPICUで心臓外科・小児科の専門のスタッフが24時間体制で管理し、一般病棟に退室して退院するまで責任を持って治療します。