急性肺障害に対するExtracorporeal Membrane Oxygenation (ECMO)の検討および予後因子の解析

【研究機関名及び研究責任者氏名】
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示す通りです。
研究機関:東京大学大学院医学系研究科 呼吸器外科学
研究責任者:安樂真樹 呼吸器外科 
担当業務:研究統括、データ収集・匿名化、データ解析

【共同研究機関】
東京大学医学部附属病院 救急部集中治療部(データ収集・解析)
同 救命救急センター(データ収集・解析)
同 循環器内科(データ収集・解析)
同 心臓血管外科(データ収集・解析)
同 呼吸器内科(データ収集・解析)
同 医療機器管理部(データ収集・解析)

【研究目的】
 傷んだ肺を休めて回復を図る方法にエクモ(ECMO)という治療があります。別紙で詳しく説明しますが、この治療は肺を休めて機械を使って体に酸素を取り込み、二酸化炭素を体外へ排出する方法です。しかしこの治療法はまだ一般的とは言い難く、高度医療を提供できる限られた施設でしか行えません。一般的ではない高度医療だからこそ、研究の形をとることで治療の効果や安全性を適切に評価することが目的です。

【研究方法】
 エクモによる治療中に得られる臨床所見、画像所見、血液生化学所見、呼吸循環動態、肺ガス交換能、予後などに関するデータを収集し、解析・検討します。また血液成分からエクモによる治療の効果判定や治療効果予測因子の検索を行います。採血はECMO導入前、導入後12, 24時間、それ以後24時間毎(最大10回程度)で、一回の採血量は10ml程度です。

2.研究協力の任意性と撤回の自由
 この研究にご協力いただくかどうかは、研究参加者の皆様(研究参加対象の方が意識のない状態もしくは著しく全身状態が悪化している場合はご家族または法的に妥当と考えられる方)の自由意思に委ねられています。もし同意を撤回される場合は、同意撤回書に署名し、研究責任者もしくは担当医にご提出ください。なお、研究にご協力いただけない場合にも、皆様の不利益につながることはありません。研究期間中にご本人の申し出があれば、いつでも採取した資料(試料)等及び調べた結果を廃棄します。

3.個人情報の保護
 この研究に関わる成果は、他の関係する方々に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
 あなたの人体試料や情報・データは、分析する前に氏名・住所・生年月日などの個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないようにした上で、当研究室において厳重に保管します。ただし、必要な場合には、当研究室においてこの符号を元の氏名などに戻す操作を行い、結果をあなたにお知らせすることもできます。

4.研究結果の公表
 研究の成果は、あなたの氏名など個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌及びデータベース上等で公表します。結果については、個人的なお問い合わせがあった場合、個人的な結果についてのみお伝え致します。

5.研究参加者にもたらされる利益及び不利益
 この研究が、あなたに直ちに有益な情報をもたらす可能性は高いとはいえません。しかし、この研究の成果は、今後の急性肺障害研究の発展に寄与することが期待されます。
 採血は通常治療と同様に行います。血管内に留置されている管より採取いたしますので、採血の度に針を刺す必要はありません。

6.研究終了後の資料(試料)等の取扱方針
 あなたからいただいた資料(試料)等は、この研究のためにのみ使用します。
 しかし、もしあなたが同意してくだされば、将来の研究のための貴重な資源として、研究終了後も引き続き保管します。符号により誰の資料(試料)等かが分からないようにした上で、使い切られるまで保管します。なお、将来、当該資料(試料)等を新たな研究に用いる場合は、改めて東京大学医学部倫理委員会の承認を受けた上で用います。

7.あなたの費用負担
 今回の研究に必要な費用について、あなたに負担を求めることはありませんが、エクモによる治療は通常の保険診療として負担していただくことになります。

8.その他
 この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受けて実施するものです。なお、この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科呼吸器外科研究室の運営費から支出されています。ご意見、ご質問などがございましたら、お気軽に下記までお寄せください。

 【連絡先】
研究責任者:安樂真樹
連絡担当者:安樂真樹
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院医学系研究科 呼吸器外科学
Tel: 03-3815-5411(代表)内線:34415
Fax: 03-5800-9156